むし歯
虫歯の主な原因は口内細菌！その特長と種類とは？
皆さんこんにちは、つやま歯科・口腔外科医院 院長の津山です。
皆さんは虫歯や歯周病の主な原因をご存じでしょうか？
甘いものを食べると虫歯になりやすい、なんて言われていますので糖が歯を溶かす、というイメージを持たれている方もおられるかもしれません。
ですがそれは半分正解で半分不正解、糖を餌にした細菌が酸を生むことが虫歯などの原因になるのです。
今回は虫歯や歯周病などを引き起こす、厄介な口内細菌についてご紹介致します。
主な虫歯の原因細菌
虫歯の主な原因は口の中の細菌、通称虫歯菌が食べ物の糖分を分解し酸を産生することです。この酸が歯のエナメル質を溶かし、虫歯を引き起こす要因となります。
虫歯菌の中でも特に虫歯の原因となる菌はミュータンス菌という菌です。
ミュータンス菌は生後10〜36ヶ月の間に、主に保護者(主に母親)から食べ物の口移しやキスなどで感染します。一度口の中に感染すると菌量を減らすことはできません。
細菌の大好物プラーク
プラークとは、口の中の細菌や食べかす、唾液、粘液、細胞などが混ざり合ってできた薄い粘膜状の層のことです。
このプラークは、歯の表面や歯と歯の隙間、歯茎などに付着し、虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖や酸の産生を促進します。
口腔ケアを十分に行わない場合、プラークは時間が経つにつれて厚く硬くなり、歯石と呼ばれる堆積物が形成されることがあるのです。
歯石に付着したプラークは取り除きにくく、歯周病の進行を促進することがあります。
したがって、口腔内のプラークを適切に管理することは、虫歯や歯周病の予防に欠かせません。
虫歯を発症する流れ
虫歯の発症する流れは、以下のようなものです。
食べ物を食べると、口の中の細菌が食べ物の糖分やデンプンを分解し酸を産生します。酸は歯の表面のエナメル質を溶かし、小さな穴を作ります。
口腔ケアを怠るとプラークが溜まるなど細菌が繁殖しやすくなり、この酸を生成する量も徐々に増加してしまうのです。
穴が深くなると酸が象牙質や歯髄（神経や血管が入っている部分）にまで達し、神経を刺激することがあり、神経が刺激されると歯に痛みを感じます。
さらに進行すると感染が広がり歯の根の先に膿がたまったり、歯のまわりにも悪影響がでてしまい、ここまで進行すると歯を残すのは非常に困難です。
虫歯の進行を防ぐためには、定期的な歯科検診や適切な口腔衛生、砂糖の摂取量の制限などが必要です。また、初期の虫歯であれば、治療によって歯を保存することができます。
口腔内細菌の種類・数
口内に生息する細菌は、数百種類以上あります。口内に生息する代表的な細菌の種類をいくつか紹介します。
ミュータンス菌
虫歯の原因菌の一つで、糖分を代謝して酸を産生することで、歯の表面のエナメル質を溶かします。
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌
歯周病の原因菌の一つで、歯肉の炎症を引き起こし、歯周病の進行を促します。
プレボテラインターメディア菌
歯周病の原因菌の一つで、口腔内の細菌叢のバランスを崩すことで、歯肉の炎症を引き起こします。
アクチノマイセス菌
歯垢の主要な構成成分の一つで、虫歯や歯周病の発症に関与することがあります。
ソブリヌス菌
口腔内の健康維持に役立つ細菌で、歯垢の形成を抑制することが知られています。
フソバクテリウム
歯周病の原因菌の一つで、他の細菌の集合体であるバイオフィルムの形成を促します。
以上は代表的な口内細菌の種類の一部ですが、口内にはさまざまな細菌が生息しているため、健康な口腔環境を維持するためには、定期的な歯科検診や適切な口腔衛生が必要です。
まとめ
虫歯を防ぎ、歯の健康を保つためには、歯科医院での定期検診をお勧めします。
歯磨き指導や生活指導、ホームケアだけでは取り切れないプラーク除去も可能です。歯に問題が見つかれば、早期治療にもつながります。
病気が進行して痛みが出てから受診する方が多いですが、進行させる前に定期的に受診していただきたいと願っています。
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